続 専業主婦からのRestart 

2017年6月から2018年12月までの約1年半、当時愛読していた働く女性のための情報誌旧アヴァンティのWEBサイトに
コラムを書かせていただいていました。タイトルは「専業主婦からのRestart」


ラストの回を書いた後、うれしいことに数名の方から続きが読みたいとお声掛けをいただきました。
いつか書こうと脳裏の片隅で気になっていたけど、もうあれから約4年半の月日が経ってしまいました。
今年6月、このホームページをオープンした後、ある朝、ふと、コラムの続編を書いてみようと思ったのです。

まずは、近況報告から。。。
あれから家族背景もずいぶん変わりました。
息子2人は社会人となり、それぞれ一人暮らし。
28歳から同居していた義父は2021年10月に90歳で天国へと旅立ちました。
今は夫と2人暮らし。ここ数年であっという間に夫婦だけの生活になりました。
古い家は広々していて、寂しさが募ります。

同居生活は、家好きなお義父さんがいつもいましたし、
晩年は少し認知の症状もあったので見守りが必要でした。

結婚して約30年、一人で家で過ごす日はほとんどなかったので、今、在宅時間をゆっくりと楽しんでいます。
たまに夫が用事でいない日は、誰もいない静まり返った真っ暗な家に帰ると嘘みたいに静かです。


(2023.6月 お気に入りの道の駅みなみの里でひまわり買ってきました)

夫婦2人の生活は、こんなにもシンプルな暮らしになるのかと驚いています。
もちろん、学費もいらないし、生活費も光熱費も食費も、ずいぶん違います。
食器も5人分から2人分に減らし、要らなくなったものを処分しました。

最近は、登山したり、日帰りの旅に出かけたり。
お互い同居という環境で、二人だけでは解決できないこともたくさん経験してきて
今となっては、それも思い出話で、これからは、それぞれの時間を大事にしながら、夫婦時間を楽しもうと話をしました。

夫婦の会話の中で、季節ごとに、お義父さんの思い出話がいろいろと出てきます。
お義父さんが亡くなってから、有難さとか、見守ってくれていたやさしさとかをしみじみ感じる日々です。

お義父さんが年を重ねるごとに耳が遠くなったり視力が落ちたり
自由が利かなくなった自分の体を受け入れていかなければならない老いという現実
その後、どんな風に時を過ごしていくかということ
人生の最期をどんなふうに死を迎えていくのかということ
生まれてきてだれもが死を迎えるということ

今とは全く違う社会情勢の昭和一桁の時代に生まれ、その価値観に触れることができたのは、
これからの人生を過ごしていく中で、かけがえのない経験になっていくと思っています。

正直言うと、受け入れられず、理解できず、とても苦しかった時期もありました。
だけど、今思うと、子どもがまだ小さいころ、夫の帰りがいつも遅かったり帰ってこない日もあったりして
そんなときに、子どものことを心配してくれるお義父さんという家族がそばにいるだけで
ただそれだけで、精神的にも大きな支えになっていたんだな~と思います。

お義父さんは、決して嫁扱いしない、怒鳴らない、咎めない、優しい人でした。、
台所で料理をしていると「そげん頑張らんでよかよ。あるもんでよかよ」と体のことを心配してくれました。
日常生活の中の様々なシチュエーションで、懐かしい思い出が脳裏に浮かんできます。
専業主婦からパートを始めて、転職しながらずっと今まで安心して仕事ができたのは、お義父さんが居てくれたからだな~と
過ぎ去って後になって有難い時間だったと日を追うごとに思えてきます。


(以前に比べると在宅時間が増え、家の中は観葉植物でいっぱいになりました)